2008年3月1日土曜日

ユーチューブ 動画

YouTube革命 テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ [ソフトバンク新書]

ちょっと前にgoogle(グーグル)がyoutube(ユーチューブ)を買収したというニュースが流れて以後、どうなっているか気になっていたのもあって、ユーチューブについて知りたくて購入。ユーチューブというサービスがどのように注目されているのかを知ることができました。最後の著作権について述べられている中の、「クリエイティブコモンズ」が印象的。ユーチューブとビジネス、特にテレビなどがどう変化していくのかが楽しみになりました。

昨年暮れも押し迫るころ、YouTubeがGoogleによって買収された。約16.5億ドル(約2,000億円)というから途方もない買収額だ。しかもYouTubeは、創業僅か数年の企業である。本書は、そのYouTubeが持つメディアパワーと動画共有革命の衝撃、戦略転換を余儀なくされる既存メディア業界(特にテレビ業界)、著作権問題、YouTube革命後の世界について解説する。特に米国テレビ局が当初のYouTubeへの対立姿勢から一転し、共存姿勢を取り始めた点が興味深い。ユーザーが勝手に生成するCM、既存映画の映像パロディなどが、社会にもたらすバイラル効果が極めて大きいためだ(それらの事例についても具体的にふれられている)。媒体企業や広告主を問わず、ユーザが自由に使える時間の中における自社のサービスのシェアをいかに高め、時には共有し、競争ら共創する関係に変換していくことが重要となってきていると著者は主張しており、大変参考になった。日本に目を転じると、JASRACによるYouTubeへの動画3万本の削除要請は、著作権という視点でみれば正しい行為であるが、米国でおきたこのような生活者主権の動きから俯瞰するとき、これまでとは違った枠組みでのコンテンツ管理、広告のあり方、メディアインフラの設計が求められてこよう。この本は、まずは現状を理解するための情報を提供してくれる。

ビデオジャーナリスト、神田敏晶氏の最近の著書です。YouTubeに焦点を当てて、YouTubeが社会に与える影響を考察しています。 私のYouTubeに対するイメージは、「著作権を無視した違法コンテンツの宝庫」というものでしたが、同氏はYouTubeやWinnyの誕生によって、著作権そのものの概念が変わりつつあると指摘します。「日本のように、これまでの著作権の概念に囚われ、既存のビジネスモデルを継続するためにYouTubeを提訴しているようでは、今後行き詰まる」という意見に同感です。Google同様に、YouTubeの発展によって最も影響を受けるのは、収入を既存の広告に頼っているマスメディアであろうと述べています。また、日本と違いアメリカという国は、既存ビジネスを脅かす新たな技術の登場を前向きにとらえ、積極的に活用しようとするチャレンジ精神に溢れた国だなぁと、つくづく感じました。

YouTubuの可能性を概論的に述べてあり、具体的なYouTubuの楽しみ方とかは、巻末の付録程度の紹介である。YouTubeの啓蒙書としては、それなりに読める内容であるが、まずはYouTubeを使ってくれという、それだけの内容である。200Pageで内容も軽いので1日で読むには適量の内容である。

YouTubeは楽しい。慣れてしまえば簡単に操作できるし、いろんな映像が見える。しかし、日本人にとっては、やっぱり英語がネックかな。英語の映像のほとんどは、なに言っているかわからないし、コメントとかもつけづらい。英語の勉強にはなると思うけど。一方YouTubeにおける日本語の映像は、テレビ番組の録画とかが多くて、テレビ見るのとそんな変わらない感じがすることもある。見逃した番組の場面を探して見るときには使えるけど、それだけではYouTubeを十分に活用できたことにはならないだろう。なので、日本におけるYouTube革命はまだ道半ばなのだと思う。日本でも、一般の人が面白映像を作ってもっと投稿したらいいのに。本書を読んで、そういうことがわかったと思う。

梅田望夫氏をして「「ウェブ進化論」に書かれていない「その後の世界」で最も重要な会社」と言わしめたYouTubeのことがよくわかる本。YouTube(的な動画共有サービス)がリアルなビジネスに生きる可能性を考察。グーグルはなぜ大枚をはたいてYouTubeを手に入れたのか?が見えてくる。テーマ自体は前著同様「WEB2.0でビジネスが変わる」ということに尽きる。今回の方が「YouTube」にポイントが絞られているぶん、すっきりとわかりやすいかもしれない。YouTubeを取り巻く最新事情がコンパクトにまとまっているし、事例も豊富で面白いので、話のタネが欲しいビジネスマンにおすすめ。尚、動画ぶっこ抜き系の話を期待する方は別の本へ。

ビジネス視点でYoutubeが語られる時、彼らが抱える問題点をあげつらってそのポテンシャルを全否定してしまうような言説が少なくない。そんな中で、動画共有のすごさをビジネスやライフスタイルなどさまざまな角度から大真面目に考察した貴重な一冊である。「こうなりつつある」という現状認識と「こうなって欲しい」という著者の思い込みが混同されがちな傾向はあるものの、メディアのパワーシフトは避けられないだろうし、著作権の観点から脊髄反射的にYouTubeを否定するより、利用するすべを考える方が生産的であるとする主張は正しいと思う。ユーザーによるバイラル(口コミ)CMの効果や、企業発信映像の事例など、著者の主張を裏付けるエピソードもバラエティに富んでいて、それぞれ面白い。YouTube革命が成就するのか誇大妄想で終わるのかは、まだ誰にもわからない。しかし、冷静になることは悲観的になることと同じではない。未来が変えられることを少しは信じてみようかと、前向きな気持ちにさせてくれる一冊だ。

著作権を守ることも大事だけれど、それよりもまず映像は多くの人に見られてなんぼ。著作権者の利益を尊重するなら、YouTubeと対決するよりもむしろ利用してしまう方がいい。この本ではそんな、素朴でかつ目から鱗が落ちる大胆な主張が展開されている。映像が持つ力と、それがブログに埋め込まれて広がることの意義。突っ込みどころは多そうだけれど、「2.0」の世界にあえて大胆な方向付けを行う著者の勇気は買いたい。本書を読むと「革命」の影響が及ぶのはテレビやIT業界だけでなく、その恩恵にあずかるチャンスは誰にでも開かれていることがわかる。何だかわくわくするのである。だから、(私もそうだが)「テレビ」とか「映像」とか自分に関係ないと思っている人も読んでおいて損はないと思う。

よくあるWeb2.0称賛本にまた薄い一冊が加わった、というところ。YouTubeに人並みの関心があって日常的にブログ界隈の話題を追いかけているような人にとっては特に新鮮な話題は取り上げられていないし、実証的な議論はほとんどありません。著者はビデオジャーナリストとしてYouTubeにもチャンネルを持って積極的に利用しているようなので、もっと映像を提供する側からの当事者的なディープな話題を取り上げて欲しかった。"YouTubeって最近良く聞くけど、それって何?" という人にはいいかもしれないけど、本読んでる暇あったら実際にサイトを見てみたほうが早いしなあ。

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