2008年2月22日金曜日

ドコモ ショップ

ドコモを育てた社長の本音

1998年〜2004年というケータイのまさに普及期、そして転換期とも言える時期に社長を務めた本人の弁をまとめた一冊。便利なものを超えていまや生活必需品になりつつあるケータイの育て親。そしてその先をも見据えたビジョンを垣間見ることができる一冊でもある。

ドコモショップ運営を外部に委託したり、幹部を育てるドコモ塾が社内でも秘密だったりと、独特の組織作りが勉強になった。アナリストとの格闘、海外メーカーとの標準化争いは、なかなか表に出ない世界だけに、非常に面白い。国際戦略の失敗で1兆円損した話は言い訳にも聞こえるが、一つの携帯を世界で使えるようにしたいという立川社長の思いは分からないでもないかな。

ドコモの創業期から、社長を務めた大星氏の著書の真似事にしか過ぎない。著者は、確かに社長を務めたものの、いわゆるNTTからの落下傘。ましてや、iモードは、著者がドコモに入社以前より、大星氏が榎氏を抜擢し、推進した賜物であり、著者は、規定路線に従っていただけ。それを、いかにも自身が業績を残したように語るのには、不愉快な気持ちを覚える。また、上場についても大星氏が既に96年頃から準備を指示していたものである。著者は、ドコモを成長させたと言うが、時価総額、利益ともに著者の在任中に大きく減少し、企業価値を低下させた戦犯である。そのような人物が書く、この本は読むに値しない。

ショップ ドコモ ドコモ ショップ