2008年3月4日火曜日

エスコート カード

リミット

エスコートシリーズ最終話、私はこれが一番お気に入りです。何といっても、受けの由惟ちゃんの性格がすごくよいのです。賢くって、少しクールで、もちろんSP出身のボディガードなので強くって、十分に大人の男なのに、なぜか皆に下の名前で呼ばれていても違和感を覚えないかわいげがあって、そして、エスコートの中では普通の常識人で。その由惟ちゃんが片思いをしている(と思い込んでいる)親友の良太郎と、二人が恋人になるまでとなってからのお話ですが、由惟ちゃん何で気づかないかね、本当はモテモテなのに、その鈍感さがまたかわいいくってたまらないのです。二人は同僚で信頼しあってて、常に対等でありたいという気持ちにとても共感しました。

「エスコート」シリーズ6作目にして最終作品。毎回の異なる設定に楽しみつつこの作家の方のすごさを感じます。今回は真城絡みでエスコートに入社した元SPの由惟と良太郎の物語。親友である二人はエスコートでもチームを組んで任務を遂行しています。そのふたりが任務中の事件で由惟が車椅子の必要な身体となってしまいます。それも良太郎をかばったがゆえに・・・その後表面上は以前と変わりない親友同士、でもお互いに抱える想いがすれ違っているというか、同じはずなのに何かが阻んでるって感じです。実際、けがをした側とかばわれた側とではそれぞれの思いは複雑で微妙になってしまいますよね。思いがけない事件によってサプライズな事実が発覚し、それが良いほうに作用して・・・という展開でホッとするわけなのですが、二人の微妙な心情がうまく表されていて一喜一憂しつつ読みました。1作目「エスコート」の志岐とユカリの登場もあります。もちろん、榎本もそして律もちらっと登場してます。とはいえ、最終話といった感じはなく、これでおしまいかと思うと寂しい気がします。

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