2008年3月5日水曜日

みずほ 銀行 カードローン

無法経済の主役たち―「頭取・社長」という名の不良債権

これが本書のテーマだったと思う。つまり「官僚」が無責任体質であるのと同様に、経営者もまた無責任体質であると。とりわけ私個人の関心として面白かったのは、序章「みずほ銀行「失墜」」と第5章「経営責任とは何か」であった。2002年4月1日、みずほFGは三行を再編し、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行という新たに二つの銀行として華々しくデビューする予定であったが、一転開業当日にシステム障害が発生し、国民が多大な迷惑を被ったのはまだ記憶に新しい。銀行員は常に信用リスクと市場リスクには敏感である。だがこの時彼らにはもう一つのリスクに対する認識が不足していたと言える。それはオペレーショナルリスクである。三つが一つのシステムになるというのは容易なことではなく、それ相応の準備期間と大量データによる負荷テストをすべきであった。しかし彼らはそれさえもしなかった(正確に言えば、それができなかった)。そもそもの原因は互いの駆け引きによって基幹システムの決定に、無駄な時間をかけ過ぎたということである。さて、みずほHD社長の財務金融委員会参考人招致での「直接利用者に実害が出たというわけではなく、クレームが大量に来たということです」という答弁だが、これを「民僚」と言わずして何と呼ぶべきだろうか。無責任な「民僚」ではなく、リスクと責任を背負う(undertaker=企業家)が今求められているのだ。

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