2008年2月17日日曜日

高岡 早紀

濡れた赫い糸

もともと、北村一輝、高岡早紀の演技が好きなので、この二人が絡んだ作品があると聞いてかなり期待。更に、監督=『皆月』の望月六郎、同じく『皆月』の奥田瑛二も出演!と知り期待は膨らむ一方でした。しかし、観終わった感想一言としては、「うーん・・・惜しい」といった感じ。ストーリー初めの”高岡早紀”登場から〜ぐいぐいのめりこんで込んでいく”北村一輝”のあたりはスピード感があり、観ている側も引き込まれていくストーリー展開ですが高岡がいなくなり、”吉井怜”登場のあたりから、急速に退屈に・・(ごめんなさい)吉井怜という女優さんは可愛いのだけど、この役にはちょっと合ってない無理な感じがぬぐいきれなかった。吉井演じる”恵利”という女性は、激しくクレイジー、魅力的で危なげで、どこかほっておけない、でもやっぱり危ない!!といった感じで、映画『ベティ・ブルー』の主人公みたいなキャラを表現したかったのか?・・でもちょっと違うんだよなあ。これだとただの”我侭バカ女”というか”激しくうっとうしい”感じが強すぎる・・演技の問題か?女優さんのルックスが可愛いだけにもったいない・・と、最後まで登場シーンの度に気になってしまいました。逆にもっと美しくない女優さんの方がこの役に合っていたかも。高岡早紀については、登場シーンは予想より少ないものの、「高岡にはこうあって欲しい」といった女性そのまんまを演じてくれたような満足感たっぷりです。高岡ファンにとってはいい作品だと思います(※ヌードはないですが)女性が数人出ますが、北村一輝の妻(?)になる「豚だ」の女性とのシーンが一番幸せ感があって好きでした。たまにはこんな北村もいい。作品的には、同じ監督の『皆月』の方が完成度が高く分かりやすい&面白いかと思います。

架空の色町を舞台に、女性たちの間で揺れ動く北村一輝の演技は一見の価値あり。初めは頼りない青年が、女性を愛し、愛される中でつやっぽさを増していきます。トラック運転手、サウナの住み込み清掃員、ホスト、色町の男衆と、職が変わっていく中での変化、服装や髪形の違いも見どころの一つです。とらえどころのない艶っぽさのある奥田瑛二、どこか退廃的で冷たさを秘めた高岡早紀もいいですが、圧巻は吉井怜。愛に飢え、過剰なまでに愛されることを追い求める姿は、「吉井怜ってこんなすごみがあったっけ」と思うくらいの迫力。北村の指をなめ回すシーンは妖艶さ全開です。濃厚な大人のおとぎ話を期待する方はぜひ、ご覧ください。

本編のストーリーもさることながら視聴者に対しても、正に裏切りの連続と言わざるを得ない。ただし、吉井怜の演技には脱アイドルと言わしめるだけの迫力を感じたのは確かだ!本当は高岡早紀目当てで購入したのに、出演シーンが最初と最後の数分しかなかったのには、がっかりした。

 次はどうなるんだろうかとついつい期待しながら、シーンの一つ一つが尻切れトンボのような感じで、不満が残る。映画を見ている人が「それでどうなったの?」と感じるシーンが多すぎる。時には見ている人の想像力をかきたてるようなシーンがあっても良いが、あまりにも中途半端。特にクライマックスに北村一輝が、女を求めるシーンなどは不必要に感じる。むしろメインである高岡早紀や吉井玲がどうなったのか分からないままクライマックスに入って、突然エンドロールが流れてくる。映画館なら「えー?」と声が聞こえてきそう。吉井玲や高岡早紀も脱いでないし、期待はずれ。

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